うなぎの養殖にはこんな方法がある

天然の稚魚を捕獲して育てる

 実はうなぎの養殖はとてもハードルが高く、卵から育てる完全養殖は未だに一般には行われていません。そこで現在行われているうなぎの養殖の方法は、天然のうなぎの稚魚を捕獲して養殖池で育てるというものです。この稚魚のことを通称シラスウナギと呼んでいます。あまりにも非効率な方法で驚きを隠せないかもしれませんが、この方法以外に効率的なうなぎの養殖の手段が他にないのが現状なのです。

 うなぎはマリアナ海溝沖で産卵し、孵化した稚魚は黒潮に乗って日本の沿岸に入り河口付近までやってきます。そのタイミングを見計らってシラスウナギ漁は行われます。近年のシラスウナギの漁獲量は安定しておらず、2014年の6月に絶滅危惧種にも指定されたことも重なって1キロ(5000~6000匹)あたり数十万円から数百万円という高値で取引されることもあるようです。
 シラスウナギ漁は12月から4月にかけて解禁され、九州、四国、東海、そして関東まで幅広い地域で漁が行われています。主な漁の場所として宮崎県の大淀川、高知県の四万十川、関東だと利根川などが挙げられます。シラスウナギ漁は、許可証と道具一式があれば比較的容易に漁ができることから副業で行う人もいます。

完全養殖はとても大変

うなぎの生態についてはまだ解明されていないことが多くあり、卵の産卵場所が発覚したのも2009年とごく最近の話なのです。そんな中、2010年にようやくうなぎの完全養殖に成功することができましたが、その方法は想像以上に大変な作業で成功から5年以上経った今でも発展途上の段階です。水槽の照明を暗くしないといけなかったり、バクテリアなどの細菌から守るために毎日水を変えないといけなかったり、細心の注意を払わなくてはいけないことがたくさんあります。

 そして一番苦労したのが卵から孵化したばかりの仔魚が食べる餌の開発で、うなぎは深海で孵化するため何を食べて育つのか全く検討がつかず、ほとんど手探り状態でした。現在ではサメの卵などを粉末上にしたものを餌として与えていますが、この餌が原因で水槽が汚れやすくなったり、原料であるサメの絶滅が心配されていたりするということもありまだまだ改善の余地があると言えます。
 このようにうなぎの完全養殖には多くの労力とコストが掛かるうえ大量生産することができないなど実用化させるには課題がたくさん残されていますが、この完全養殖によって供給量が安定させることができれば、近い将来、今よりも手頃にうなぎを食べられる日が来るかもしれません。

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